外壁タイルの浮きとは、コンクリートとタイルやモルタルなどの間の付着力が低下し、浮きが生じている状態のことです。
外壁タイル浮きは、放置すると外壁タイルの剥落や建物の損傷につながる可能性があります。
そのため、定期的に調査や補修を行うことが大切です。

外壁タイル浮きの種類
外壁タイル浮きには、2種類の原因があります。
陶片浮き
外壁タイルの表面だけが剥がれてしまう現象です。
タイルの色や質感が変わったり、ひび割れや欠けが見られたりします。
湿度や水分の影響を受けやすい部位で発生しやすく、タイルの取り換えが必要となります。
下地浮き
外壁タイルと下地との間に隙間ができる現象です。
タイルを固定しているモルタルがコンクリート構造物から浮いてしまい、タイルがぐらついたり、音が鳴ったりします。
水分や凍結による膨張などが原因で生じ、安全面にも影響を及ぼします。
外壁タイル浮きの原因
外壁タイル浮きの原因は、主に以下のようなものがあります。

施工不良
タイルを貼る際に、モルタルや接着剤が不十分だったり、タイル同士の隙間が大きすぎたりすると、タイルが固定されずに浮いてしまいます。
また、モルタルの質が悪かったり、タイルの下地が不安定だったり、防水処理がされていなかったりすると、水分や湿気が侵入してタイルを剥がしてしまいます。
気象条件
日本は四季がはっきりしており、気温や湿度の変化が激しいです。
そのため、タイルやモルタルに熱膨張や収縮の力がかかります。
また、雨や雪などの水分もタイルに影響を与えます。
これらの力が繰り返し作用すると、タイルにひび割れや剥離などのダメージを与えてしまいます。
経年劣化
タイルは長年にわたって外部からの刺激にさらされています。
そのため、自然に劣化していきます。
特に、紫外線や酸性雨などの化学的な刺激は、タイルの色あせや変色を引き起こします。
また、地震や台風などの自然災害も、タイルに衝撃を与えて浮きやすくします。
タイル浮きの調査方法
続いて、外壁タイル浮きの調査方法についてご説明します。
打診調査法
打診棒やパールハンマーなどでタイルを叩いて、その音や感触でタイルの浮きや剥離を判定する方法です。
タイルと下地との接着状態によって、音が変わります。
例えば、タイルがしっかりと下地に接着している場合は「カン」という高い音がしますが、タイルが浮いている場合は「コン」という低い音がします。
打診調査法は、赤外線調査法よりも正確性が高いとされていますが、足場や高所作業車などの設備が必要になるため、費用がかかりやすいというデメリットもあります。
赤外線調査法
赤外線カメラを使って、外壁の温度分布を撮影する方法です。
タイルが浮いている部分は、空気層ができるために断熱効果が高くなります。
そのため、日射によって温度が上昇しやすくなります。
赤外線カメラで撮影した画像では、温度の高い部分は赤色や白色で表示されるので、タイルの浮きや剥離を見つけやすくなります。
赤外線調査法は、打診調査法よりも費用が安く済むというメリットがありますが、日射や風などの気象条件に影響されやすく、精度が低下するというデメリットがあります。
従来のタイル浮き補修方法
タイル浮きは、外観や防水性に影響を与えるだけでなく、建物の構造や安全性にも危険を及ぼす可能性があるため、早めに補修することが大切です。
ここでは、従来のタイル浮き補修補法についてご説明します。

脳天打ち工法
外壁タイルの浮きや剥離を防止するための補修方法の一つです。
タイルの中央部に穴を開けて、エポキシ樹脂とアンカーピンでタイルをコンクリート躯体に固定することで、タイルの剥落を防ぎます。
タイル部分張替え工法
タイルの一部が欠損や浮きなどで劣化した場合に、その部分だけを新しいタイルに張り替える工法のことです。
特定の部分だけを対象とするため、全体的な修繕費用を抑えることができます。
外壁複合改修工法
劣化したモルタル塗り仕上げ外壁や、タイル張り仕上げ外壁などの改修に使われる工法です。
この工法では、ポリマーセメント系塗材や繊維ネット、透明樹脂系塗料とアンカーピンを組み合わせて、既存の外壁仕上げ層を補強し、剥落を防止します。
エポキシ樹脂注入工法
コンクリートやモルタルなどのひび割れに、エポキシ樹脂を低圧で注入する工法です。
ひび割れの防水性や強度を回復でき、ひび割れの拡大を防止することができ、構造物の寿命を延ばすことができます。
ただし、タイル表面にひび割れの跡が残るため、美観は損なわれます。
タイル除去Uカット工法
タイル張り仕上げ外壁のひび割れ部を改修するための工法です。
この工法では、ひび割れ部周辺のタイルを撤去し、下地コンクリートに沿ってU字型の溝をカットしてシーリング材を充填します。
その後、タイルを張り直して目地入れを行います。


